着色のメカニズム

園主紹介

MYB遺伝子と着色の関係

ブドウの果実色は黄緑色、赤色、黒色があります。何故、このように色の違いがあるのでしょうか?

それは、着色遺伝子である「MYB遺伝子」の組み合わせによって、色が決定するからなのです。「翠峰」「白峰」などの黄緑色ブドウは、着色しない遺伝子Aが4つあります。また、「安芸クイーン」「ゴルビー」などの赤色ブドウは、着色しない遺伝子Aが3個と着色する遺伝子Eが1個、「巨峰」「ピオーネ」などの黒色ブドウは、着色しない遺伝子Aが2個、着色する遺伝子Eが2個となっています。

黒色ブドウで最強の着色遺伝子を持つ「ブラックビート」は、なんと、着色する遺伝子Eを4個持っています。

また、MYB遺伝子とアントシアニンの含有量には関連があって、黄緑色のブドウには、アントシアニンがまったく含まれていませんが、色が濃くなるにつれてアントシアニンの含有量は多くなる傾向になります。このため、「ブラックビート」には非常に多くのアントシアニンが含まれています。



MYB遺伝子と果実色の関係
果皮色 品種 MYB遺伝子 アントシアニン含有量
(mg/g fw)
黄緑
白峰 A A A A
翠峰 A A A A
安芸クイーン A A A E 0.16
ゴルビー A A A E 0.20
クイーンニーナ A A A E 0.26
巨峰 A A E E 1.48
ピオーネ A A E E 1.14
藤稔 A A E E 1.75
ブラックビート E E E E 7.44

農研機構HPより抜粋 一部改編



果実色とアントシアニンの種類

果実中に含まれるアントシアニンにも種類があり、ブドウでは、シアニジン、ペオニジン、デルフィニジン、ペチュニジン、マルビジンの5種類があり、品種によって含まれるアントシアニンの種類、含有量が違います。一般的に赤色系では、シアニジンが多く、黒色系ではマルビジンが多く含まれています。

着色の濃さとアントシアニンの蓄積量は比例関係にあり、赤熟れの巨峰より着色が良好の黒い巨峰は、約4倍もアントシアニンが多く含まれていたという試験結果があります。



着色不良の原因

着色不良の原因としては、高温、日照不足、着果過多、栄養不足などが考えられます。このうち、高温、日照不足はなかなか効果的な対策がとれないのが現状なので、健全な樹体を作り、決してその個体の限界以上に房数を多く着けないのが肝要です。

光合成により生成された糖分は、果実の他に枝、幹、根に分配されます。枝、幹、根に分配する糖分を減らすことは困難なので、必然的に果実に分配される糖分の量は限られてきます。このため、分配先の果実が多いと、一粒に分配される糖の量が少なくなり着色不良を起こしてしまいます。

また、着色時期の夜温も関係があります。植物は光合成により、葉から二酸化炭素を吸収し、酸素を放出しています。(詳細は「樹木の構造」を参照)

これとは別に、葉、幹、根から動物と同じように酸素呼吸をしています。呼吸は糖分を分解し、エネルギーを得るために必要で、細胞内のミトコンドリアで行われます。

呼吸の際には、光合成で生成した糖分を消費し、呼吸量は温度と比例して増加します。このため、夜温が高いと、呼吸量が増加し、無駄に糖分を消費することになります。その結果、果実への糖の分配量が減少するので、着色不良を起こす可能性が高くなるのです。当果樹園がある岡山県吉備中央町は標高が高いので、夏でも寝苦しいことが無いほど夜温が下がります。ブドウ栽培には恵まれた土地だと言えるでしょう。



品質の良いブドウと作るための公式

栽培が、以下の公式に該当すれば、良い果実を作ることができると考えています。

光合成で生成された糖分 >= 消費される糖分の合計

そして、消費される糖分とは以下の合計になります。

  1. 枝、幹、根に分配される糖分(着色時期の夜温が高ければ多くなる)

  2. 果実に分配される糖分

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