福州園 |
かつて琉球王国と中国が交易をした際、那覇市と福州市は交易の拠点でした。中国から渡来した人は、那覇に久米村を形成し、ここで様々な貿易活動をしたいました。このような歴史から、那覇市と福州市は、歴史的友好関係を掘り起こし、日中両国の新たな出発の礎とするため、1981年5月20日に友好都市締結をはかりました。
福州園は、この友好都市10周年記念と那覇市市制70周年記念事業として、1992年に建てられました。建設にあたっては、福州市産の資材をを使用し、福州市が工事の基本設計、木造、石造の加工及び技術指導を行いました。面積は約8,500㎡。福州の代表的な風景、建築物をイメージして造られています。現在は入場料無料。
外国の庭園はヨーロッパへ大学の卒業旅行で、フランスのヴェルサイユ宮殿の庭園、スペインのアルハンブラ宮殿(獅子のパティオで有名な)を見学しましたが、当時はまったく庭に興味が無かったので、ほとんど印象が残っていません。ここは中国庭園なのでだいぶ趣は違いますが、日本で見学できる外国庭園なのでちょっと興味があり訪ねてみました。
日本庭園はいい意味シンプルで、過剰な装飾というより、侘び寂びの落ち着いた感が強いですが、隣の中国庭園は石の装飾を多く用いた少し派手目な庭園となっていました。
園内は池を中心とした回遊式になっていて、福州市の名勝を配置しているとのことです。池にそそぐ大滝は、小さな瀑布といった表現で表したいほど、雄大で、滝の横から上に登っていけば展望台となっています。園を上から見る眺望は素晴らしいものがあります。
久米といえば昔、中国から渡来した人が住み着いた場所として有名です。その地にこのような庭園を建てたことは歴史的に意義あることだと思います。建てられたのは1992年と歴史はまだ浅いので、これから日本と中国をもっと結びつける庭となっていって欲しいと思います。