山本亭 |
山本亭は、葛飾地元の実業家で、カメラの山本工場創始者 山本栄之助氏が、関東大震災で浅草の自宅が被害を受けてこの建物を取得し、以後4代にわたって使用されていたものを、昭和63年(1988年)に葛飾区が取得し、平成3年(1991年)から一般に公開しました。建物は大正期に建てられたと考えられていますが、山本氏が取得する前にいつ、誰が建てたかは不明です。
建物は、1階400㎡、2階50㎡の木造瓦葺き2階建て 地下室、土蔵、長屋門等も備え、大正15年(1926年)から昭和5年(1930年)の間に数回、増改築されました。
庭園は、昭和初期当時のまま残されている貴重な庭で、縁先近くに池泉を、背後には植え込みと築山を設けて奥行きをもたせた典型的な書院式庭園です。植栽は、マツ、ツツジなど約400本の樹木が植えられています。この庭は海外から評価されており、アメリカの日本庭園誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」主催の日本庭園ランクング「しおさいプロジェクト」で、2013年は第5位に選ばれています。 しおさいプロジェクトとは、日、米、豪の専門家が、全国730箇所余りの庭園を調査し、庭そのものと共に、建物との調和、利用者への対応を総合評価したものです。 庭園の面積890㎡
「しおさいプロジェクト」で第5位に選ばれた葛飾の山本亭に行ってきました。
まず伝統的な書院造りと洋風建築が複合した和洋折衷の建物に入ります。美しく整えられた坪庭を通ると、山本亭で最も古い建造物の土蔵があります。その先に邸内で唯一の洋間であり、昭和初期独特のデザインをもつ鳳凰の間があります。日本建築に洋間がありますが、まったく違和感はなく、大正、昭和初期の雰囲気を肌で感じます。
主庭は広くはありませんが、植栽などで後ろが遮蔽されて実際よりも広く感じ、心穏やかに何時間も見続けられそうです。主庭に面している部屋は「カフェ山本亭」で、抹茶などを楽しめます。おこづかい程度のお金で最高の庭を観賞することができる最高のカフェなので、訪れた際は是非堪能してください。