常盤公園(偕楽園) |
偕楽園は金沢の「兼六園」、岡山の「後楽園」とともに、日本3名園のひとつに数えられ、筑波山を仰ぎ、千波湖を見下ろす景勝に恵まれています。全国でも有数の梅の名所として広く知られ、春には100種、3000本のウメの花が咲き誇ります。偕楽園の名称は、中国の古典である「孟子」の「古の人は民と偕に楽しむ、故に能く楽しむなり」という一節から取ったものです。
歴史は、水戸藩2代藩主 徳川光圀により、中国の西湖を模した園地が設けられ、常盤園と称されたのが始まりです。この約160年後、水戸藩9代藩主 徳川斉昭(烈公)が自ら造園計画を構想し、天保12年(1841年)から造園工事を行い、翌年には本園、桜山、及び丸山が開園されました。ここは休養園として造られ、藩士達には出入りが許可されていました。
園内にある庭園建築「好文亭」は、徳川斉昭自らその位置や建築意匠を定めたと言われており、名前はウメの別名 好文木に由来しています。2層3階の好文亭と北につながる奥御殿からなり、一般に全体を総称して好文亭と呼んでいます。3階を楽寿楼と呼び、前面に千波湖、東にはるか大洗方面の松林、西方にははるかに筑波山が眺められます。昭和20年(1945年)に戦火で焼失しましたが、昭和30年(1955年)から3年の月日を費やして復元されました。
植栽は、本園にはウメを中心に、モウソウチク、霧島ツツジ、ミヤギノハギが、飛び地である桜山と丸山にはサクラが植えられています。
偕楽園全体面積 156,008㎡ 本園面積 127,995㎡ 桜山面積 25,915㎡ 丸山面積 2,098㎡ 国指定史跡・名勝
梅林で有名な偕楽園(常盤公園)に行ってきました。園内は非常に広大で、飛び地の桜山、丸山、近接する歴史館、徳川博物館などを周ると、とても一日では見学できません。
表門から入り、孟宗竹林を抜けると、「好文亭」に着きます。「好文亭」は、徳川斉昭の別墅(べっしょ)でしたが、己ひとりの楽しむところではなく、衆と偕(とも)に楽しむために作ったそうです。
「好文亭」の中に入ると、まず色とりどりの襖絵に目を奪われます。色鮮やかでありながら華美ではなく落ち着いた華やかさが感じられます。廊下に沿って館内を歩くと、途中に様々な小庭があり、そして、総板縁の東塗縁広間、西塗縁広間に着きます。東塗縁広間と西塗縁広間にはさまれる形で主庭が形成されています。3階の楽寿楼に上がると、見晴らしがよく、千波湖などの展望が楽しめます。
植栽は、多くのウメが広大な面積に植えられており、梅花時期には感嘆すること間違いないでしょう。また、「好文亭」付近にある、背丈以上あるツツジの大刈り込みもその大きさに驚きます。ウメ、サクラ、ツツジなどが多く植栽されているので、春に訪れたい庭園です。