高梨氏庭園 |
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高梨家は古くからこの地に居住していた名主であり、江戸時代からは醤油醸造を始め財をなしました。大正6年(1917)には、市内の茂木家と高梨家が中心となり、野田醤油株式会社(現在のキッコーマン株式会社)が作られ、野田は醤油の町として現代まで栄えています。
敷地は約10,000㎡あり、邸宅は、明和3年(1766)建設の門長屋から、昭和6年(1931)建設の母屋に至るまでの間に、様々な建物が建てられ混在しています。庭園は書院前の主庭と、主人の居室である十ニ畳にある前庭、客室である残月亭の前にも庭があり、敷地全体が名勝指定されています。
また、邸内北側のタブノキを山、西側の屋敷林を森に見立て、「西に森、北に山」という江戸時代の屋敷建築の基本を今に伝えています。 国指定名勝
醤油でおなじみのキッコーマンの本社がある野田市の高梨氏庭園に行ってきました。
野田市駅を降りるとすぐ醤油のにおいに気が付きます。キッコーマンの工場が駅の前にあり、やはり醤油の町だなと思わされます。高梨氏庭園は駅から徒歩15分位ですが、案内などがほとんど無いため、かなり迷ってようやくたどり着きました。
入場料は500円ですが、プラス1,000円払うと住宅内部まで案内してもらえ、抹茶をいただけます。(要予約 木、金、土曜日のみ) 平日ということもあり、私のほかには来場者がいなかったので貸し切り気分で住宅を案内してもらいました。 ラッキーでした。
この庭は、多くの鞍馬石が使われています。作庭時に、まだ自動車の無い時代だったので、駅に到着した鞍馬石を、大八車で当園まで運搬したそうです。主庭はクロマツとカシワが主木として配され、カシワは別名ユズリハと呼ばれ、次の葉が出るまで落葉しないところから縁起が良いので植栽されました。
住宅は、外観は日本家屋ですが、入るとすぐに洋間があり、外観とのギャップに驚かされます。ビリヤード部屋もあり、商談などで使われた在りし日の姿を今に伝えています。野田醤油株式会社を設立した時に、ここでの醤油作りは止めたので、現在は展示棟で醤油作りに使われた道具を見学することができます。
ここは樹木保護のため庭園内を散策できません。このため、庭を期待して来るとい少しガッカリするかもしれません。ここのメイン豪商の住宅です。洋間の壁紙の模様や、船底形の廊下などはジョサイア・コンドル設計の旧岩崎邸とよく似ています。ちなにみ、この壁紙は紙でできているそうです。