小石川後楽園 |
園名は中国の文人 笵仲淹の「岳陽楼記」に書かれた「士はまさに天下の憂いに先立って憂え、天下の楽しみに後れて楽しむ」から由来しています。
江戸初期、水戸徳川家初代藩主で、家康の子である頼房が江戸上屋敷の庭園として築造し、二代の光圀が完成させました。作庭は徳大寺左兵衛によります。三代将軍家光も伊豆から石を運ぶなどの援助をしました。
神田上水から引水した池泉回遊式庭園で、徳川頼房が京都をはじめ各地の名勝を模し、光圀が中国趣味の景観を加えました。大泉水の蓬莱島や徳大寺石、起伏のある園路沿いに点在する紅葉、梅林、枝垂桜、花菖蒲田などがみどころです。面積は約7万㎡。国の特別史跡、特別名勝。
夏の暑い日に訪れたので、紅葉林の木陰から大泉水を眺めるととても涼しく快適でした。また、掃除もいきとどいていており、園内各所にゴミ箱も配備されていたので良い印象を与えてくれました。
東京出身で、後楽園球場や遊園地に何度も遊びに来ていましたが、隣地にこんな素晴らしい庭園があるなんてまったく知らないことが恥ずかしくらいです。
あたりまえですが、蓬莱島、橋、延段、菖蒲田、建仁時垣等、庭園としての景観を楽しむ場所ですので、浜離宮と異なり、後楽園遊園地の帰りに子供連れでピクニックに行くような雰囲気はありませんでした。都会に残された奇跡の庭園で、全体的に喧騒をはなれゆっくり楽しむ場所であるとの印象を受けました。また、様々な種類の延段があり、散策しながら足元の違いを楽しみのも面白いと思います。