旧徳島城表御殿庭園 |
一般に千秋閣庭園とも呼ばれる旧徳島城表御殿庭園は、表御殿の書院と藩主が生活する中奥に面して造られ、南側に枯山水庭園、北側には築山泉水庭園の二つの形式から成っています。桃山時代 徳島城主蜂須賀家政の命で、武将であり茶人としても名高い上田宗箇によって作庭されました。阿波産の青石(緑泥片岩)を主体としながら紫、赤、黒などの石も加えた石の妙に特徴があります。
南側の枯山水庭園は、巨大な3つの石橋がよく知られています。最大のもので10.5mあり、ちょうど7:3のところで折れています。このことから初代徳島藩主蜂須賀至鎮が橋の上で地団駄を踏んだ、毒を盛られ苦しんで足踏みをしたなどと言い伝えられています。また、作庭当時に植えられ今でも残っている17株の蘇鉄も見所です。
北側の築山泉水庭園は、庭園奥にある観音山を源流とする渓谷と、その水が流れ落ちる心字池があり、護岸には無数の青石が使われ豪壮な景観を造りだしています。心字池は、江戸時代に内堀と繋がり、潮の満ち引きが楽しめる潮入の庭となりました。 面積 5,024㎡ 国指定名勝。
上田宗箇の代表作といっても過言ではない旧徳島城表御殿庭園に行ってきました。
徳島城のすぐ脇にJR徳島駅があるので、列車でのアクセスは最高です。あまりにも近いので、お堀を埋めて駅を建設したのかもしれません。庭園に入るとまず枯山水庭園があり、自然石の巨大な石橋が目に飛び込んできます。矛盾たことを言うようですが、無骨でありながら周囲の白砂利によって石橋の青がよく浮き上がり、何故が気品さえも感じさせられます。橋も渡ることができるので、在りし日には殿様も渡られたのだなと想像など、小さな幸せを感じることもできます。島には枯滝石組もあり、さらに美しく大きな切石橋で対岸に渡っていけるようになっています。
大きな石が目立つ野趣的な園路を上って行くと観音山頂上に着き、ここには観音堂跡があります。この場所は藩主が暮らした御殿の鬼門の方角なので、観音を祀ったとされています。
観音山を右に向かって降りて行くと、心字池がある築山泉水庭園があります。大小無数にある青石を惜しげもなく散りばめ、その豊かで変化に富んだ景観は見ていて飽きることがありません。マツなどの植栽もほどよく植えられているので、庭も明るく気持ちが良いのですが、立地上、ビルが庭の頭に見えるのが残念です。