瑞泉寺庭園 |
鎌倉時代、夢窓国師によって開山され、庭園も国師初期の作庭と伝えられます。長い間荒廃していましたが、昭和45年(1970年)に作庭当初の遺構が発掘復元され大改修を受けました。
池泉観賞式の庭園で、植栽、石組を用いず、寺の後ろにある凝灰石の岸壁を背景とし、手前の岩盤を彫刻的手法で凹字型に穿って、池泉、中島、滝口を表しました。岸壁には二か所洞窟がくり抜かれており、一つは「天女洞」、もう一つは「葆光窟」といい、夢窓国師坐禅窟として作られたのではないかと伝えられています。 名勝
夢窓国師作庭の庭園にいってきました。最寄りのバス停から山を20分位登っていくのでけっこう疲れます。途中、山の影と日の光のコントラストの差が大きいので、ここは本当に山の中だなと実感させてくれます。
本堂の前庭は梅が多く植栽されており、季節には見事に彩られるのでしょう。対照的に夢窓国師作庭の庭は、裏山の岩壁をくり抜き、装飾のない池を造り、まったく華美のないその簡素さで訪れる人の心に強烈なインパクトを与えてくれます。そして、何もないこの庭を見て、何故このような庭を作庭したのかわかりえない古の作庭者の気持ちを投影しながら眺め続けてしまいます。庭の概念と異なった庭を見てみたい方はおすすめです。