海蔵寺 |
臨済宗建長寺派の寺院。元は真言宗の寺跡でしたが、建長5年(1253)に宗尊親王の命で従五位前能州大守 藤原仲能が本願主となり、七堂伽藍が再建されました。
元弘3年(1333)鎌倉幕府滅亡によって焼失した後、応永元年(1394)4月、鎌倉御所 足利氏満の命により上杉氏定が再建し、源翁禅師(心昭空外)を開山に招いて菩提寺としました。盛時には十の塔頭(たっちゅう)があったとされていますが、現在は安永2年(1468)の造立とされる山門だけが残り、それ以外の多くは最近建てられました。仏殿のの奥の洞穴には、縦横4つずつ、合計16個掘られた浅い窪みの十六井戸があり、弘法大師により掘られたとの言い伝えられています。また、本来は、井戸ではなく、納骨のためであるとの説もあります。
庭園は本堂と庫裏の後ろにあり、心字池を中心に雪見灯籠、石の五重塔などは配され、禅寺らしく自然石が一見無造作に置かれています。また、付近には湧水が多く、池泉の水はこれを利用しています。
敷地はそれほど広くはありませんが、全体的にとてもきれいで清潔感がある心地よい場所になっています。鎌倉散策で立ち寄るには持ってこいの場所です。
前庭は苔特有の暗さが全く無く、明るい庭を見ている錯覚さえ覚えます。本堂の後ろにある主庭には入ることはできず、柵の外からしか見学することができないのが非常に残念ですが、鎌倉では一番お勧めの庭園です。