金福寺 |
金福寺は貞観6年(864)、慈覚大師の、国家安泰、衆生教済の遺志を継ぎ、慈覚大師自作の聖観音菩薩像を祀るため、安恵僧都が創建しました。
その後、一時荒廃しましたが、江戸中期に鉄舟和尚が再興し、臨済宗の寺院としました。また、鉄舟は松尾芭蕉と親交があり、芭蕉が度々、後丘の庵を訪れたので、この庵を「芭蕉庵」と呼ぶようになりました。安永時代になると芭蕉庵は荒廃してしまいましたが、与謝蕪村の一門が再興しました。
また、舟橋聖一作歴史小説「花の生涯」や諸田玲子の「奸婦にあらず」のヒロイン村山たか女は、文久2年(1862)勤皇の志士によって三条河原でさらし者にされましたが助けられ、金福寺で尼として生涯を終えました。このため、与謝蕪村と村山たか女の遺品が残されています。
庭園は白砂の枯山水庭園で、後ろの丘に刈込物のサツキがある簡素な造りとなっています。
芭蕉所縁の寺院、金福寺に行ってきました。
小振りですが、落ち着く寺院です。サツキの季節には鮮やかな花と白砂の対比が楽しめると思います。