称名寺庭園 |
金沢北条氏一門の菩提寺で、建立の時期は明らかではありませんが、北条実時が居館内に建てた持仏堂から発したと推定されています。
庭園は金沢貞顕の時代の文保3年(1319年)から元応2年(1320年)にかけて、石立僧の性一法師が作庭しました。金堂の前に池を配置し、南の仁王門から入り、池を東西に二分するように架けられた反橋と平橋を渡って金堂に達するようになっています。称名寺は、時代的に最後の遺例となる貴重な浄土式庭園で、源頼朝が平泉の毛越寺を範として建立した鎌倉の永福寺の影響を受けていると言われています。 国指定史跡
鎌倉時代随一の浄土式庭園ということで、見に行く前から大きな期待がありました。ところが、ちょうど行った時が悪く、反橋が工事中でしたので、景観は半減以下でした。残念。
園内は無料ということもあり、近隣の住民が犬の散歩をしていました。庭園というよりは公園といった感じでしたが、朱塗りの平橋や金堂を見ると、現存する貴重な浄土式庭園のありがたさがわかります。鎌倉の瑞泉寺の付近に存在した永福寺は既になく、現在は遺跡調査をしています。遠い古の昔に作庭された称名寺を、鎌倉時代の造営当時に復元した労力は大いに評価できると思います。