深田氏庭園 |
![]() |
深田氏はもともと近江源氏佐々木源三秀義七代の孫 佐々木三郎兵衛信輝が始祖で、伯耆国浜中の里にて深田の地を開墾したことからこの地の豪士となり、深田の性を名乗るようになりました。
庭園は池泉観賞蓬莱式庭園で山陰地方最古の蓬莱式庭園になります。鎌倉時代中期~末期の作といわれており、南北朝の争いで隠岐に流される御醍醐天皇をお迎えするため造られました。個人所有の庭ながら、作庭当時の姿をとどめている奇跡の庭でもあります。
庭の中央のには小さな池があり、池中の右には鶴島、左には亀島、右奥の築山には三尊石組があります。鶴島は鶴が羽をたたんでひなを抱く姿を、亀島は亀がうずくまる姿を、凝灰岩と植栽で見事に表しています。一見アンバランスに立っているように見える三尊石は、圧倒的な存在感があり、枯滝を表しています。面積は約445㎡ 国指定名勝
鳥取でなんと個人の方が管理している深田氏庭園に行ってきました。
ここはあらかじめ電話し、予約しないと留守の可能性があるので注意して下さい。訪れると32代当主のかたが直々に案内、説明してくれます。時が時なら考えられないことなので、なにか恐れ多いような感じがしました。
お話を伺うと、深田家は順風満帆だったわけではなく、様々は苦難があったこと。建物もだいぶ縮小し、現在の庭を見る小屋のあった場所に昔は書院があったこと。 庭は鳥取の大地震で壁は大きな被害を受けたが石組は被害がなかったこと。など話し好きの現当主にいろいろ楽しい話を聞かせてもらいました。なかでもいちばん驚いたのは、現当主自ら庭の草むしりなど管理をしていたことです。
庭は鎌倉時代からよくぞこの姿を残していたものだと、感心させられます。聞くと、この庭の価値を見出したのは昭和の作庭家 重森三玲とのことです。改めてわが町の偉人の功績に頭が下がる思いです。