柴屋寺庭園 |
柴屋寺は、今川6代当主義忠と7代当主氏親に仕えた連歌師 柴屋軒宗長が、永正元年(1504年) 55歳で草庵を結んで閑居していた場所でした。当時は、禅宗の影響で孤独閑寂の生活が流行していたこともあり、宗長自身がここに銀閣寺を模した庭園を築き余生をおくっていました。
庭園は、本堂の正面にある丸子富士や、西にそびえる天柱山を借景とし、北斗七星を形どって配置した七曜石、宗長が月が出るのを座って待った月見石があります。また、この月見石の後ろに師の宗祇と並んで宗長の墓があります。
宗長は、京都の嵯峨から移植した竹林から竹細工を始め、これは現在でも民芸品として売られています。 国指定名勝
静岡にある柴屋寺に行ってきました。
窓口で料金を支払うと、女性出てきて寺院内を案内してくれました。ここまで丁寧に説明してくれるのは初めてなのでとても嬉しかったですね。わからないことを質問できたし、良い時間を過ごすことができました。
その質問のひとつですが、連歌とは恥ずかしながらわからなかったので聞くと、5人または7人位で、ひとりが歌を詠んだら下の句を次の人が順々に詠んでいって歌を完結させることだそうです。この時のポイントは、同じレベルの人を集めて開催するそうです。レベルが違うと、上手い歌はできないのでしょうね。
庭は建物の中から見る池泉座観式庭園で、主庭はコンパクトで落ち着きがあり、見ていて疲れない庭です。右手の天柱山を借景にしていますが、樹木が大きく、少し迫力に欠けます。古の時代は、樹木も小さく、今とは違っていたのでしょう。
また、本堂から丸子富士も見えます。冬は山頂に雪が積もり、まさに富士だったのでしょう。
裏庭にも見事な庭園があり、室町時代に造った枯滝は、地震が多い静岡でもその姿を今でも残しており、石組みの技術を感心させられます。茶室からは、竹林の上にある月を見て風情を楽しんだそうで、昼間ですが、その情景を想像して楽しみました。
宝物についても丁寧に説明していただき、ここを訪れたことに幸せを感じました。駅からも遠く、なかなか目立たない場所にありますが、是非訪れることをお勧めします。